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頭痛・片頭痛・めまい・物忘れ外来

頭痛・片頭痛・めまい・
物忘れ外来について

頭痛・片頭痛・めまい・物忘れ外来について
当院では、頭痛、片頭痛、めまい、物忘れといったよくある症状に対する診断と治療に特に力を入れ、専門外来を開設しています。
片頭痛を含めた頭痛は、今や国民病とも言える日本人にとって身近な症状です。めまいは頭痛と比べると頻度は少ないものの、脳卒中やメニエール病といった病気の症状の1つとしてしばしば認められます。また物忘れについても、人生100年時代を迎えた現代において見落としてはならない症状です。
「身近な症状」「誰にでも起こり得る症状」だからこそ、治療によって症状を改善・解消することが、健康とともにQOLを取り戻すことに繋がります。
頭痛、片頭痛、めまい、物忘れといった症状がございましたら、お気軽に当院にご相談ください。

頭痛

頭痛は大きく、一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。
もっとも大きな違いは、二次性頭痛が「命に関わる病気」の症状であるという点です。ただもちろん、一次性頭痛なら放置していいというわけではありません。また患者さんご自身では、一次性頭痛なのか二次性頭痛なのか正確に見分けることが難しいケースもあります。

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特に、以下のようなケースでは早急な受診が必要になります。

  • だんだんと頻度が高くなる頭痛
  • だんだんと強さが増す頭痛
  • いつもと違う感じがする頭痛
  • 頭部などを打った後に出た頭痛
  • 手足のしびれ、吐き気、めまいなどを伴う頭痛
  • 呂律が回らない、視力・視野の異常がある頭痛
  • 50歳を超えて、初めて慢性的な頭痛が続いている
  • がんなどで免疫力が低下している場合の頭痛

頭痛の種類と原因

それぞれの頭痛の代表的なものを以下の表にしました。

一次性頭痛 二次性頭痛
片頭痛
緊張性頭痛
群発頭痛
薬剤の使用過多による頭痛
クモ膜下出血
脳出血
脳動脈解離
脳腫瘍

一次性頭痛

片頭痛

頭の左右の片側または両側に現れる頭痛の総称です。「脈打つような」「ズキズキするような」としばしば表現されます。
また、運動・光・音・におい・天候(の変化)などによって症状が悪化する、それらの刺激に敏感になる、吐き気・嘔吐を伴うということもあります。
20~40代の女性に好発し、女性ホルモンとの関連が指摘されています。
近年は、新しい片頭痛の予防薬もいくつか登場しています。最近片頭痛がするようになったという方だけでなく、長くお悩みであった方も、お気軽にご相談ください。

緊張性頭痛

一次性頭痛の約半数を占めるのが、緊張性頭痛です。
多くは頭の左右両側で、数十分~数日間にわたって頭痛が起こります。「圧迫されるような」「締め付けられるような」と表現されることが多くなります。
その他、音や光に過敏になったり、首の痛み・肩こり・めまいを伴ったりといったケースも見られます。片頭痛とは異なり、吐き気や嘔吐はありません。
しばしば、デスクワークなどによる不自然な姿勢が原因となります。治療では投薬だけでなく、姿勢を含めた生活習慣の改善を行うことが大切です。

群発頭痛

1000人に1人程度の、片頭痛や緊張性頭痛と比べると頻度の低い頭痛です。20~40代の男性に好発します。
1年に1回程度、約1カ月間にわたって毎日のように頭痛が15分~3時間ほど続きます。季節の変わり目、夜間~明け方の発症が目立ちます。
痛みの程度は極めて強く、「目の奥がえぐられるような」と表現されることもあります。その他、目の充血、涙目、鼻水、鼻づまり、発汗、まぶたのむくみといった症状も見られます。
発作時のイミグラン皮下注射が有効です。

薬剤の使用過多による頭痛

頭痛薬を使い過ぎている人に見られる頭痛のことを指します。
頭痛に対する不安から、頭痛がないのに薬を飲む、本来より早めに飲むといったことを繰り返していくうちに、薬が効きづらくなることで「薬を飲んでいるのに頭痛がする」という状態になります。
特に市販薬を飲むことが常態化している方は、注意が必要です。
市販の頭痛薬は、あくまで対症療法として、応急処置として使用するようにしましょう。脳神経外科などで頭痛の原因を調べ、内服薬の調整や薬剤を使わない治療などを併用していくなど、治療方針の見直しが必要になります。

二次性頭痛

クモ膜下出血

脳血管が異常に膨らみ、瘤のようになった状態を「脳動脈瘤」と言います。クモ膜下出血は、この脳動脈瘤がある日突然破裂することで発症します。
発症時には、後頭部をバットで殴られたような強烈な頭痛があります。ただ、頭痛が軽いというケースも見られるため、一概には言い切れません。命を落としたり、後遺症が残ったりする可能性の高い病気です。
脳動脈瘤の原因としては、高血圧、動脈壁の弱さの遺伝、ストレス、喫煙などが指摘されています。また脳動脈瘤自体はほぼ自覚症状がないため、高血圧と診断された方、脳動脈瘤およびクモ膜下出血になったご家族がいる方は、無症状であっても定期的に脳の検査を受けることをおすすめします。

脳出血

高血圧や動脈硬化、多量飲酒などを原因として、脳の血管が破れ、頭蓋内で出血する病気です。
血管が破れる部位によって症状は異なり、筋力・感覚低下、しびれ、呂律が回らない、視力・視野障害、頭痛、めまい、吐き気などさまざまです。意識障害や呼吸停止によって、命を落としてしまうこともあります。
男性であれば60代、女性であれば60~70代で起こりやすい病気です。

脳動脈解離

外膜・中膜・内膜で構成される動脈のうち、内膜に入った亀裂から血液が流れ込む病気です。
突然の後頭部・後頚部、あるいは顔面の痛みに襲われます。クモ膜下出血、脳梗塞を合併するケースも少なくありません。はっきりとした原因が分からないこともありますが、外傷、首への過度の負荷、経口避妊薬の内服、一部の血管疾患が原因になることがあります。
40~50代の男性によく見られる病気です。

脳腫瘍

脳やそのまわりの組織に腫瘍が生じることを指します。乳幼児~高齢者まであらゆる年代で起こり得る病気です。脳内から直接発生する原発性脳腫瘍と、脳以外から運ばれてきたがん細胞によって発生する転移性脳腫瘍に分けられます。
脳腫瘍がある程度大きくなると、頭痛、吐き気・嘔吐、視力低下などの症状が現れます。中でも早朝の頭痛、食事と関係のないタイミングでの吐き気・嘔吐は脳腫瘍の特徴的な症状として挙げられます。

片頭痛

片頭痛
片頭痛とは、頭痛のうち、頭の左右の片側、あるいは両側が痛むものを指します。しばしば、「脈打つような」「ズキズキするような」と表現されます。
代表的な一次性頭痛であり、国内だけでも1,000万人の片頭痛患者がいるとされています。
20~40代の女性によく見られます。また男性も、女性ほどではありませんが同じ年代で好発します。仕事や家事、子育てなどで忙しいこの年代における片頭痛は、日常生活への影響が大きく、お悩みの方が少なくありません。

片頭痛の原因

はっきりとした原因については未だ解明されていませんが、現在「三叉神経血管説」という仮説が最も信頼されています。片頭痛が始まるときは、三叉神経という神経から、CGRPというたんぱく質が脳の表面の膜(硬膜)に向かって放出されます。
CGRPを受け取った膜は、炎症と血管拡張をおこし、その結果、脳が痛み、嘔気、眠気を感じるとされています。

片頭痛の予兆・前兆

予兆

予兆として、以下のような症状が見られることがあります。

  • 倦怠感
  • イライラ
  • 集中力の低下
  • 食欲の亢進
  • むくみ
  • 首や肩のこり
  • 眠気

前兆

片頭痛には、前兆のあるものと、前兆のないものがあります。

  • 目の前で光がチカチカする
  • 視野にギザギザした歯車のようなものが見える
  • 視野の一部が欠ける
  • 手足のしびれ
  • 喋りにくさ
  • めまい

片頭痛の新しい治療薬

片頭痛の頻度が少ない場合には、鎮痛薬やトリプタン製剤などの「急性期治療薬」で対応します。
しかし、これらの薬剤を使う頻度が高い場合には、片頭痛の予防薬を治療として使用します。

当院では片頭痛の新薬を
取り扱っております

近年、片頭痛との関連が指摘されるCGRPという物質に着目した予防薬が相次いで発売されています。
当院では、エムガルディ、アジョビ、アイモビーグという3種類の予防薬を取り扱っております。
また、従来からあるトリプタン系薬剤、新しく開発された次世代型の急性期治療薬レイボーについても取り扱いがございます。
患者さんの片頭痛のタイプ、ライフスタイルに応じた処方をいたしますので、お気軽にご相談ください。

めまい

めまい
めまいも頭痛と同じく、とても一般的な症状で、2019年の調査では、全年齢で1000人あたり21.6人、65歳以上になると31.3人と悩んでいる方の多い症状となります。
めまいの原因はとても多く、原因を特定できないこともよくあります。
その中でも、頭痛と同様に、脳の疾患が原因で起こるめまいは、命に関わる場合もあるため、できるだけ早く診断を受け、治療を開始する必要があります。
脳の疾患が原因でない場合も、症状が強い場合は、日常生活に支障をきたしますので、大変な苦痛を感じますまので、早めに診断を受け、治療を行う必要があります。

めまいの種類と原因

ぐるぐる回る感覚:
回転性めまい

人や物などの景色が、ぐるぐると回転するように見えるめまいです。
前庭神経核、前庭小脳、およびその連絡路に異常が生じた時に起こります。
脳腫瘍、小脳出血梗塞、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、異常脳幹などの病気が考えられます。

ふわふわする感覚:
浮動性めまい

足元がふわふわする感覚、上下左右や自分の体勢が分からなくなる感覚を伴うめまいです。
睡眠障害やうつ状態、下肢末梢神経障害、前頭葉の障害などによって引き起こされます。
疑われる疾患としては、脳出血や脳梗塞、脳腫瘍、クモ膜下出血、前庭神経炎、メニエール病などが挙げられます。

中間型めまい

回転性めまい、浮動性めまいの中間に位置するタイプのめまいです。
めまいは種類ごとの定義が難しく、しばしばこの中間型めまいに分類されます。

眼前暗黒感

目の前が真っ暗(場合によっては真っ白)になる、意識が遠のくといった症状を伴う、やや特殊なめまいです。
脳幹部の血流が低下し、虚血状態となることで上記症状が現れます。長い時間同じ姿勢でいた後、急に立つなどして身体を動かすことがきっかけになるケースがよく見られます。
低血圧、心疾患、起立性調節障害、高度な貧血、脱水などが疑われます。

めまいがあるときは
一度ご相談ください

めまいの原因はとても多く、原因を特定できないこともよくあります。
強いめまい、頻度の高いめまいがある場合には、多くの方が不安に感じて受診してくださいます。一方で、頻度の低い弱いめまいについては、「気のせいだろう」と済ませてしまう方が多くなります。
実際に、健康上問題のないめまいも少なくありません。しかしこのページでご紹介したように、脳腫瘍や脳出血、脳梗塞などの命にかかわる疾患が隠れているケースもあります。
少しでも気になった時には、ぜひ一度、当院にご相談ください。

もの忘れ

もの忘れ
もの忘れは、若い人、健康な人にも起こります。忘れ物をする、人の名前や地名が出てこないといったことは、誰もが一度は経験しています。そして一般に、こうした物忘れは年齢を重ねるほど、少しずつ増えてきます。
問題のないもの忘れと、認知症や軽度認知障害(MCI)に伴うもの忘れでは、いくつかの違いがあります。まずはその違いを知り、気になった時にはお早めに当院にご相談ください。
ご家族からのご相談も承ります。

以下のような症状は
ありませんか?

以下のような症状はありませんか?

  • 物の名前が思いだせなくなった
  • しまい忘れや置き忘れが多くなった
  • 財布やカード類など大事なものをよくなくすようになった
  • 慣れている場所なのに道に迷った
  • 以前好きだったことや趣味に対する興味が薄れた
  • 財布を盗まれたと言って騒ぐことがある

加齢によるもの忘れと
認知症は違います

年齢を重ねると、記憶力が低下するため、もの忘れが増えてきます。
一方の認知症では、記憶力の低下に加え、理解力や思考力、計算・学習能力などの低下が重なり、もの忘れが多く・ひどくなっていきます。
認知症のもの忘れには、以下のような特徴が見られます。

  • 忘れていたことを指摘されても、思い出せない
  • 出来事の細部だけでなく、出来事そのものを忘れている
  • これまで習慣的にやってきた仕事・家事ができなくなる、手順が分からなくなる
  • 正しいこと、やってはいけないことの判断が難しくなる

ご自身やご家族の方に
もの忘れの兆候がありましたら当院までご相談ください

もの忘れがひどくなってきた、急に増えてきたといった場合には、認知症や軽度認知障害(MCI)を疑いましょう。
治療が早期であればあるほど、進行を緩やかにできる可能性も高くなります。また、認知症になると日常生活におけるさまざまな場面で不都合が生じます。ご本人が辛いのはもちろん、ご家族も同じくらい、辛い想いをすることがあります。
ご自身、またはご家族が症状に気づいた時には、お早めに当院にご相談ください。