- 赤ちゃんの頭の形について
- 当院の赤ちゃんの頭の形外来の特徴
- 赤ちゃんの頭の形の変形の種類
- 赤ちゃんの頭の形を整えるにはいつまでに受診するのがいいですか?
- 診療内容(保険診療)
- ヘルメットでの治療を希望される
保護者様へ - ヘルメット治療の流れ
(自費での治療になります) - 当院で取り扱っているヘルメット
- 赤ちゃんの頭の形外来の費用
赤ちゃんの頭の形について
向き癖によって
頭が変形したのではないかと
気にされている保護者様へ
1992年、「乳児突然死症候群」の予防を目的として、赤ちゃんの仰向け寝を推奨する“ Back to Sleep Campaign”がアメリカでスタートしました。以来、欧米では仰向け寝がスタンダードとなりましたが、一方で「向き癖に伴う頭の変形」(変形性斜頭症)が急増しました。これに対応する手段として、現在ではアメリカを中心にヘルメット治療などが推し進められています。
また、向き癖に伴う変形以外にも、頭の骨の異常が原因となっていることもあります。
赤ちゃんの頭の形が気になる親御さんは、お早めに当院にご相談ください。
当院の「赤ちゃんの頭の形外来」では、頭の骨の異常の確認、変形の程度の確認、寝る時の姿勢・環境の指導、変形の程度が強い場合のヘルメットによる形状誘導療法(自費)などを行います。
当院の赤ちゃんの
頭の形外来の特徴
頭蓋骨の病気かどうか診断します
頭の変形している状態のほとんどは、胎内または出生後の向き癖によるものが多く、「頭位性斜頭」と言って、病的なものではありません。
しかし、その中に、「頭蓋縫合早期癒合症」といって、頭蓋骨の病気によって変形している場合もあります。
骨の病気である場合は脳の発達が遅れることがあり、場合によっては手術が必要なこともあります。
この骨の病気を見逃さないことが、赤ちゃんの頭の形外来のもっとも大切な役割となります。
他病院との連携があります
当院では、高槻病院の小児脳神経外科で赤ちゃんの頭の形外来を経験した医師が担当します。
骨の病気が見つかった場合も、高槻病院の小児脳神経外科と連携をしておりますので、安心してご相談ください。
小児脳神経外科|社会医療法人愛仁会 高槻病院(大阪府高槻市) (aijinkai.or.jp)
また、当院の医師は、東京にある「赤ちゃんのあたまのかたちクリニック」の高松先生に師事しております。
ヘルメット着用期間中に関東方面へ転居なさる場合も引き続き「赤ちゃんのあたまのかたちクリニック」で診察を受けられます。
【東京/赤坂】赤ちゃんのあたまのかたちクリニック - 日本初の頭蓋変形ヘルメット治療専門クリニック (atamanokatachi.com)
お子様の発達についてもサポート
当院では、頭の形だけでなく、発達に関しても診察致します。少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
赤ちゃんの頭の形の変形の種類
① 向き癖による頭の変形
<斜頭>
斜頭は段階的に進んでいきます。
その進み具合を理解するのに、Argenta (アルヘンタ)の分類がよく使われています。
Argenta (アルヘンタ)の分類
同じ方向ばかり向くことによって、片方の後頭部が圧迫され、平らになってきます。(Grade 1)
さらに変形が進むと、耳の位置が前方へずれていき(Grade 2)、前頭部(Grade 3)→頬部(Grade 4)→側頭部または頭頂部(Grade 5)の順で突出していきます。
この変形を「斜頭」と言います。
<短頭>
真上を向いて、両方に均等に圧がかかる状態だと、後頭部全体が平坦になり、いわゆる「絶壁頭」になる場合もあります。この変形を「短頭」と言います。
向き癖による変形だと診断した場合は、変形の度合いを計測します。
計測の値によって、変形の程度が強い場合は、ヘルメットによる形状誘導療法をお勧めします。
変形が軽度である場合は、自宅で取り組める赤ちゃんの運動、マッサージなどを指導して経過をみていきます。
<斜頭の場合>
AとBの差が
15mm以上:積極的にヘルメットでの誘導療法をお勧めします。
10mm-15mm:相談をしながら方針を決めていきます。
10mm以下:リハビリなどヘルメットではない取組みを指導させて頂きます。
<短頭の場合>
幅/長さ×100の値が
80-94:正常
94以上:短頭
101以上:積極的にヘルメットでの誘導療法をお勧めします。
② 頭蓋骨縫合早期癒合症
赤ちゃんの頭の骨は一つではなく、いくつかのパーツに別れています。成長するにつれて、それらがくっついていき(癒合していき)、最終的には一つの頭蓋骨になります。
その骨同士がくっつく時期が早くなってしまう病気があり、「頭蓋骨縫合早期癒合症」と言います。
舟状頭蓋
矢状縫合が早期に癒合すると、上から見ると縦長の舟状頭蓋になります。
三角頭蓋
前頭縫合が早期に癒合すると、上から見るとおでこがとがった三角頭蓋になります。
短頭蓋
両側の冠状縫合が早期に癒合すると、横から見ると前後に短頭蓋になります。
斜頭蓋
片側の冠状縫合が早期に癒合すると、斜めにゆがんだ斜頭蓋になります。
上の図以外にも、他の縫合が早期癒合を起こす場合もあります。
または、頭の形の変形でなく、顔や手の変形など他の症状を伴う早期癒合症もあります。
これらの病気の疑いがある時は、精密検査やその結果によって手術による治療が必要になることもあります。
もし、精密検査や手術による治療が必要な際には、連携している病院にご紹介いたします。
小児脳神経外科|社会医療法人愛仁会 高槻病院(大阪府高槻市) (aijinkai.or.jp)
赤ちゃんの頭の形を
整えるにはいつまでに受診するのがいいですか?
向き癖による変形である場合
変形の程度が強い場合は、ヘルメットを使った形状誘療法を行うことができます。この誘導療法は、赤ちゃんの首が座ってから、頭の大きさが急速に成長する生後4か月から6か月までの時期に開始するのが一番効果が出ます。(「ヘルメットの作成を希望される保護者様へ」の章をご参考ください)
ヘルメットの着用は、着用開始から半年間を想定しており、1歳前後には自分で脱いでしまうお子さんもおられるので、1歳になるまでに着用期間が終わっている方が望ましいです。
また、初めて診察をしてから、ヘルメットを作成してお渡しするのに、2,3週間前後かかります。
ヘルメットの作成期間、一番効果のできる時期、またヘルメットの着用期間などを合わせて考えると、適切な時期に着用を開始するためには、生後3,4か月頃に一度受診されることをお勧めします。
頭蓋骨縫合早期癒合症による変形の場合
こちらは、向き癖による変形と違い、更なる精密検査や、治療が必要になります。
できるだけ早めの受診をお勧めします。
診療内容(保険診療)
- 赤ちゃんの様子、発達の状況などを観察します。
- 頭の形の写真、計測を行い、変形の度合いをチェックします。
- レントゲン、エコーなどを用い、骨の病気がないかをチェックします。
- 変形の度合い、月齢に応じた対応、治療に関して提案します。
※もし、骨の病気が疑わしい場合は、CTでの検査や、連携している高槻病院の受診をお勧めすることもあります。
ヘルメットでの治療を
希望される保護者様へ
「ヘルメットをかぶせる」と聞くと、四角いスイカの写真を連想して、頭にヘルメットをかぶせて強制的に形を変えていくイメージを持たれる方もおられるかもしれませんが、それは間違いです。
突出しているところを縮める治療ではありません。
向き癖によって、長時間床と接して圧を受けている箇所に、ヘルメットで空間を作り、その骨が成長できるように促す治療です。
<頭蓋形状誘導療法は、赤ちゃんの頭の成長のスピードを利用して行います>
赤ちゃんの頭は、生後1年で急速に成長します。
ヘルメットによる頭蓋形状誘導療法は、この生後1年までの、頭の成長のスピードを利用しています。
頭の大きさは、「頭囲」を計測して評価します。
下の図は、頭囲の成長曲線です。
成長曲線
生後4か月から10か月の間のグラフの傾きに注目してください。6か月間で3㎝ほど頭囲が大きくなります。
この頭が急成長をする時期にヘルメットを着用し、向き癖によって床から圧迫を受けていた頭の骨に負担をかけないようにするのです。
成長するにつれて、徐々に頭囲の大きくなるスピードが緩やかになっていきますので、理想的な形への誘導が難しくなります。そのため、私達は、首が座り始めてヘルメットでの治療が可能になる生後3か月ほどから、遅くとも生後6か月以内には治療を開始する必要があると考えています。
ヘルメットは、基本的には1日のうち23時間ほどの着用をお勧めします。治療期間は6か月ほどですが、1歳を過ぎると、自我が芽生え、手先も器用になるので、自分で脱いでしまい着用時間が短くなってしまいます。
ですので、ヘルメットの治療の適応があれば、できるだけ早めに着用を開始し、1歳より前に治療を終了するのが望ましいです。
ヘルメット治療の流れ
(自費での治療になります)
13Dスキャン、ヘルメットの申し込み
頭の計測、写真撮影、3Dスキャンで頭の形のデータを作成、ヘルメットの柄などを決めます。
2~3週間
2ヘルメットのお渡し、ヘルメット装着開始
スキャンから2-3週でヘルメットをお渡します。この日からヘルメットを装着し始めます。
診察時に保護者様による着用の練習や、ヘルメットの微調整、頭の計測も行います。
始めの2、3日は数時間の装着で様子を見始め、徐々に装着時間を延ばしていきます。
最終的には、お風呂の時間を除いた23時間の装着を目指します。
2週間
3ヘルメット装着後、1回目の診察
ヘルメット装着後は、まずは2週間目に来院して頂きます。
順調にヘルメットを装着できているか、何か困りごとはないかなど診察します。
頭の計測やヘルメットの調整もします。
1ヶ月
4ヘルメット装着後、2回目の診察
1か月毎に来院して頂き、頭の計測とヘルメットの調整をします。頭の計測、ヘルメットの調整を行います。
1ヶ月
5ヘルメット装着後、3回目の診察
頭の計測、ヘルメットの調整を行います。
1ヶ月
6ヘルメット装着後、4回目の診察
頭の計測、ヘルメットの調整を行います。
1ヶ月
7ヘルメット装着後、5回目の診察
頭の計測、ヘルメットの調整を行います。
1ヶ月
7ヘルメット装着後、6回目の診察
十分な治療効果が得られていれば終了となります。
頭の計測、写真撮影、3Dスキャンで頭の形のデータを作成いたします。
7後日
治療前、治療後の形を比較した写真をお送りします。
当院で取り扱っているヘルメット
当院では3種類のヘルメットを扱っております。
ミシガン大学式ヘルメット
アメリカのミシガン大学で開発されたヘルメットです。
2018年4月に日本で初めて医薬品医療機器総合機構(PMDA)からクラスII医療機器として認定されたヘルメットです。
詳しくはヘルメットの写真をクリックしてください
ミシガン頭蓋ヘルメットの柄一覧はこちらです。ヘルメットにシールを貼るなどして、好きなようにデコレーションすることもできます。
赤ちゃんの頭の形外来の費用
赤ちゃんの頭の形外来 費用内訳
スキャンのみ | 初回診察時 | ¥30,000(税込) |
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ヘルメット治療費 | ヘルメット代 スキャン2回分(初回診察時・最終診察時) データ編集・資料作成料 診察料(6回分) 薬剤料 |
¥450,000(税込) |